10月を迎えて
郊外の田では,稲が黄金色の穂頭を垂れ,刈り入れの時期が間近であることを教えてくれています。ついこの間まで聞こえていたセミの声に換わり、夜にはスズムシやコオロギの鳴き声が響き渡るようになっています。畦道では、赤色や白色の彼岸花が咲き誇っています。秋分の日を過ぎ、日の出の時刻が遅くなるとともに、日没の時間が早くなってきました。最高気温が30℃近くなる日もありますが、朝夕はめっきりと涼しくなっています。自然は、季節が着実に秋に向かっていることを私たちに伝えてくれています。
午前5時過ぎのクウの散歩の時にふと空を見上げると、南の空には冬の代表的星座であるオリオン座が輝いていました。また、東の空を見ると三日月型をした金星が明るく輝き、南西の空には太陽系最大の惑星である木星が輝いていました。空気中の水蒸気量が減少するこの時期、お子さまと星を見ながら宇宙の広大さについて語り合うのも良いにではないでしょうか。
先日、自家用車の点検のために近くの販売店に行ったとき、店内のカレンダー脇に書かれている一文に目がとまり、思わず見入ってしまいました。
その一文とは「しっかり見ていると,見えていないものが見えてくるようになる」です。
「しっかり見る」ってどのように見ることなんだろう、「見えていないものが見えてくるようになる」ってどういうことを指しているんだろう、と考え込んでしまいました。
「しっかり見る」とは、「すべての前提を排除し、対象となるもの(者、物)を、時間をかけて、継続的に、十分に見ていくこと」だと解釈しました。
「見えていないものが見えてくるようになる」とは、「今まで見えていなかった対象となるもの(者、物)が本来持っている素晴らしさやすごさ、ゆかしさ、能力等が見えてくるようになる」ことを指していると解釈しました。
自然をしっかり見ると、対象物の持っている素晴らしさ(形や構造、仕組み、色、におい、味等)が見えるようになるとともに、その自然の背後にある神秘性に驚嘆させられます。
子どもをしっかり見ると、その子どもが本来持っているすごさや能力、素晴らしさ、奥ゆかしさに気づくとともに、その子どもが何をしようとしているのか、子どもがしようとしていることをどのように援助すべきなのかが見えてくるのではないでしょうか。
今、子どもたちは、運動会に向けての練習に一生懸命に取り組んでいます。日々進歩している子どもたちをしっかりと見ていきたいと思っています。