12月の保育
− 園長先生のお話 −
ローマ教皇として38年ぶりに日本を訪問されたフランシスコ教皇。
長崎や広島で話されたことは,地球上のすべての生命あるものがその生命を全うしていくためへの課題を端的に示していると思います。
「PROTECT ALL LIFE」,胸に刻んでおかなければならない言葉です。
さて,イエス様の御降誕をお待ちする「待降節」が12月1日(日)から始まります。カトリック教会では,イエス様の御降誕までの4週間,クリスマスリースに4本のロウソクを立てたアドベントクランツに,1週間ごとに1本ずつ火を灯していきます。そして,4本のロウソクすべてに火が灯ったらクリスマスを迎えます。
様々な説はありますが,イエス様がお生まれになったことをお祝いする日がクリスマスであることは間違いないでしょう。
ここで考えなければならない幾つかのことがあるように思います。
1つ目として,イエス様がお生まれになるまで,マリア様やヨセフ様の生活はどうだったのでしょうか? 当時のイスラエルでは,未婚の女性が子どもを身ごもることは許されることではなく,場合によっては石打の刑になったそうです。それでもマリア様は御胎内のイエス様をお守りし,ヨセフ様は世間の冷たい目からマリア様を守りきったのです。神さまからのお告げを信じきった姿がそこにあるように思います。
2つ目は,イエス様がお生まれになったのはどこだったのでしょうか? 当時の子どもが普通に生まれていた家や宿屋ではなく,馬小屋の飼い葉桶でした。なぜ馬小屋の飼い葉桶だったのでしょうか? 神さまが私たち人類に何を求めているのかを示しているように思えてしようがありません。
3つ目は,イエス様がお生まれになったことを最初に知らされたのは,ベツレヘムの城壁の中に住んでいた人たちだったのでしょうか? 当時,ベツレヘムの城壁内に入ることを許されなかった羊飼いの人たちに知らされました。なぜ羊飼いの人たちにまず知らされたのでしょうか? イエス様がこの世に遣わされた理由を表しているように思えます。
クリスマスを機会に,イエス様の生涯を思い起こすとともに,イエス様が何を私たちに伝えようとしたのかを,喧騒の中ではなく静寂の中で,ゆっくりと考えてみませんか。