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園長先生のおはなし

10月の保育

− 10月の園長先生のお話 −

 郊外の田では,稲が黄金色の穂頭を垂れ,刈り入れの時期が間近であることを教えてくれています。ついこの間まで聞こえていたセミの声に換わり,夜にはスズムシやコオロギの鳴き声が響き渡るようになっています。畦道では,赤色や白色の彼岸花が咲き誇っています。秋分の日を過ぎ,日の出の時刻が遅くなるとともに,日没の時間が早くなってきました。最高気温が25℃を超える日もありますが,朝夕はめっきりと涼しくなっています。自然は,季節が着実に秋に向かっていることを私たちに伝えてくれています。

 夕方,南の空を見ると,西から「金星」(地球のすぐ内側を公転している惑星)「木星」(太陽系最大の惑星)「土星」(輪を持つことで有名で,もし水に浮かべたら浮くと言われている惑星)「火星」(地球のすぐ外側を公転している惑星)を見ることができます。「黄道」(太陽系の惑星が天球上で移動していく「道」)を確認することが出来る絶好の機会です。空気中の水蒸気量が減少してくる「秋」。ちょっと外に出て,スズムシの音に耳を傾けながら,空を見上げても良いのではないでしょうか。
 今年の夏,今までにないような多くの災害が日本を襲いました。
 7月8日(日)に西日本をおそった「西日本大雨災害」。
 強風や大雨によって甚大な被害を近畿地方にもたらした「台風21号」。
 9月6日(木)に起こった震度7(これ以上の震度はありません)の地震で山塊が崩壊するとともに,全島がほぼ停電状態になった「北海道胆振東部地震」。
 亡くなられた方々に心からお悔やみを申し上げるとともに,今もなお避難生活を送られている方々のために,自分が出来る最大限のことをしていかなければならないと思っています。
 自然の厳しさの前で,あまりにも非力に見える人類。
 私たちの先祖は,厳しい自然に畏敬の念を抱きながらも,温かく支えてくれている自然に親しみを感じてきたと思います。
 科学技術が飛躍的に発展している現代だからこそ,再度,「自然」について考えていかなければならないと思っているのは,私一人ではないでしょう。

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