2月の保育
− 2月の園長先生のお話 −
− 調和と教育 −
2月17日は音楽発表会です。
今,幼稚園のあちこちからカスタネットやすずの音,鍵盤ハーモニカ,太鼓の音などが聞えてきます。初めは,時間をかけて楽器ごとに練習し,その後,みんなで「ひとつのもの」をつくりあげていきます。バラバラだった音が,少しずつまとまって,きれいなハーモニーになってゆくのです。
口で言うのは簡単なことですが,子どもたちにとってそれは簡単なことではありません。年少児にとっては,初めて扱う楽器もあるでしょう。先生に教えてもらって,こうしようと思っても,その通りにいかないことも多々あるはずです。かたちのないところから,少しずつ,少しずつ,できあがっていきます。そして,周りの友だちとのハーモニーということも,子どもたちは体で覚えていくのだと思います。
「かたちのないところ」から始まり,かたちが定まらない「もやもやしたもの」になり,少しずつ子どもたちの中で「ハーモニーというもの」が生まれてくるのではないでしょうか。
幼稚園では,体を動かして鍛えたり,心を育んだりする,さまざまなカリキュラムがあります。しかし,人間は体だけでできているのでも,心だけがあるのでもありません。体と心,それがハーモニアス(調和的)に育てられてこそ,バランスのとれた心身が育まれていくのだと思います。一人ひとりの子どもたちの中で,心と体の成長のハーモニーが育てられなければならないし,また幼稚園というひとつの小さな世界の中でも,他者と調和をとりながら生きていくことを学んでほしいと思っています。
音楽発表会,子どもたちがどんなハーモニアスな音楽を奏でてくれるか,とても楽しみにしています。