5月の保育
− 5月の園長先生のお話 −
2016年度が始まり,はや1ヶ月が過ぎました。昨年度まで年少さんだった新年中さんは,可愛い新年少さんが登園するようになり,どことなくキリッとした顔立ちになってきました。昨年度年中さんだった新年長さんは,お兄さんやお姉さんの役を果たそうと意気込んでいます。子どもたちの成長を見るにつけ,心が丸くなってしまう私でした。
さて,新緑が美しい季節となってきました。木々も光り輝き,生き生きとしています。カトリック教会では,生命の躍動を感じることができるこの月を,命を育む母であるマリア様に捧げています。奇しくも「母の日」もこの月です。
生きる力を与える最も根源的な力を発揮するのは「母性」だと言われています。
人とのつながりやかかわりが薄れ,各家庭が孤立化する傾向が強まる中で,私たちはどのようにして人とのつながりを取り戻していけばよいのでしょうか。
佐々木正美先生の「子どもの心が見える本」の中に次の一文がありましたので,紹介します。
『互いに相手の立場になってものを考えることができる「共感的な感情」が育ってきて初めて友だちが得られるのです。その基盤は基本的な信頼です。人に信じてもらえる感性があるから,共感的な感情が育つのです。』
幼稚園は,子どもたちにとって初めて接する社会です。この幼稚園において「お互いが信じることのできる者であること」「一人ひとりが本当に大切な存在であるということ」を感じ取ってほしいと思います。友だちと一緒にいることの「楽しさ」「喜び」「痛み」「戸惑い」等を,多くの子どもたちと出会うことによって体得してほしいと願っています。
マリア様の月であるこの5月において,今一度私たち大人が子どもを丸ごと受け止め,子どもたちに生きる力を与えていくことができるようにしましょう。
子どもたちだけでなく,保護者の方々も関わりを深め、つながりあえる関係をもてるといいですね。