1月の保育
− 園長先生のことば −
明けましておめでとうございます。
2015年が皆さまにとって神さまの恵みが多い1年となりますよう,心からお祈り致します。
12月20日(土)に行われた「クリスマスお遊戯会」。子ども達の一生懸命な演技にとても感動させられました。また,「クリスマスお遊戯会」が成功のうちに終えることができたのも,多くの保護者の方々のご協力のおかげだと思っています。本当にありがとうございました。
さて,クリスマスの夜半ミサの際に配られた「聖書と典礼」に,札幌教区で司祭をされている「場ア 洋」神父様の文章が掲載されていました。とても考えさせられる内容なので,ここに紹介します。
『生まれながら目の見えない女性に会った。私は彼女の言葉に返す言葉がなかった。「目 の見えない私をみんな可愛そうですねとか,大変ですねとか言います。でも私は何の不自由もありません。私は皆さんが見えるということがどんなことなのか分かりません。皆さんの言われる光とは何ですか。でも,私は見えなくても光を知っています。」
この女性の語りから,ある心理学者の言葉を思い出した。「私たちが生きているこの 世界は,目で見えるものが5%,目で見えないものが95%である」と言う。というこ とは見える5%に私たちは常に心を奪われて四苦八苦しているのである。それは氷山の 一角の価値観に翻弄されている現実である。
かつて,子ども達は外で遊び,ぶつかり合いながら感性を育み,人間関係を培ってき た。ところが最近,外で遊んでいる子どもを見なくなった。すでにテレビ,スマホ,ゲ ームといったバーチャル(仮想世界)的なものに大人も引きずり込まれ,子どももそれに 続いている。果たして心は満たされているのだろうか。心は空洞化され,仮想世界で何 かを満たそうとしている。‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥』
目に見える5%の向こう側にある見ることのできない95%の世界にいかに心を巡らすのか。また,空洞化した心をいかにして満たしていくのか。
より愛のあふれた人間社会にしていくために,私たち大人が真剣に考えなければならないのではないでしょうか。
おやつや買いたいものなどを我慢してためた子ども達自身のお小遣いから「児童福祉献金」に47,982円の貴重なご寄付を頂きました。ありがとうございました。献金はローマ教皇庁に送られ,世界各地の恵まれない子ども達のために使われます。
目に見える5%の向こう側にある見ることのできない95%の世界に心を巡らせた桜町聖母幼稚園の子ども達のことを思うと,とても心が丸くなってしまう私でした。