9月の保育
− 副園長先生のことば −
夏休みも終わり、2学期が始まりました。皆様お元気でいらっしゃいましたでしょうか。ご実家に帰られ、おじいさま、おばあさま、また親戚の方々やお知り合い、お友だち等々、お会いになり旧交をあたためられたかと存じます。子どもたちにとっても多くの大人の人たちと接するよい機会になったのではないでしょうか。楽しかったお休みの経験をこれから、たくさん聞かせて下さることでしょう。
ところで「いろいろへんないろのはじまり」という絵本をご存知ですか?ちょっとここで紹介したいと思います。
ずっと昔、色というものはありませんでした。ほとんどが灰色でさもなければ、黒か白でした。その頃灰色の時といいました。そして、一人の魔法使いが「世の中何か間違っとる。これでは、雨が止んで日が照ってもさっぱりわからんじゃないか。」ということで、色を作り出して行くのですが、最初に青色が偶然に出来ます。その色を初めて見た人々は、分けてもらい世界中が青色になってしまいます。青色の時が始まります。最初はよいと思っていたのですが、やがて青色のために皆、悲しい気持ちになり、子どもたちは遊びもせず、大人たちは黙りこくり、とうとう人々は憂鬱でたまりませんと魔法使いに訴えます。こうして、次々に黄色の時、赤色の時があるのですが、世界中すべてが同じ色であった時に、最初は良くても、色々不都合が起こるのです。魔法使いは新しい色を作ろうとするのですが、とうとうつぼにたまった色が流れ出し、色が混ざりはじめます。そして、色々な色が出来上がり、それぞれが好きな色を持ち帰り、世界中が色々な色でいっぱいになり、最後は皆満足したというお話です。
このお話を読みながら色々な色のあることの豊かさ、ひいては色々な人がいること、色々な考えがあることのすばらしさを思います。子どもたちも千差万別です。だからこそ楽しいのだと思います。大変な思いもすることもあるでしょうけど、皆同じようでは息が詰まりますよね。人間の豊かさ、それぞれの人の違いを受け止めながら体験していくことが出来たらいいですね。
2学期は行事も多いのですが、保護者の方のお力もお借りしながら、共に子どもたちがしっかりと人とかかわることが出来るよう成長するために、協力して参りましょう。