5月の保育
−5月はマリア様の月−
新緑の美しい季節となってきました。木々も草木も、光り輝き、生き生きとしています。生命の躍動を感じることができるこの季節、カトリック教会では命を育む母であるマリア様に捧げられたことは意味深いことと思います。奇しくも母の日もこの月です。
生きる力を与える最も根源的な力を発揮するのは母性だと言われています。
育児環境は厳しく、地域社会や家族において子どもを育てる力の低下が言われて久しく、子育て支援が叫ばれています。人とのつながり、かかわりが薄れ、孤立化してしまっている中で、どう私たちは人とのつながりを取り戻すことができるのでしょうか。
幼稚園は、子どもたちにとっては初めて接する社会です。この幼稚園において、お互いが信じることのできる者であること、本当に一人ひとりが大切な存在であるということを、感じ取って欲しいと思います。友だちと一緒にいることの楽しさ、喜び、痛み、戸惑い、等色々なことがあるでしょう。色々な友だちとの出会い、多くの子と出会うことによって、傷つくことを恐れずにやっていけるこの時期に人とのかかわり方を知っていって欲しいのです。
日々、子どもたちはお互いをしっかり見ています。遊びの中で生活の中で互いに教え合い、学び合っています。これが上手く行える為には、友だちから教えてもらいやすい雰囲気を持っていなければ、教えてもらえず学べませんし、何かを伝えようとしても、話を聞いてくれなければ伝わりません。面白いことを面白いと共感してくれなければ遊びは長続きしません。
この共感し合える力が育っていってくれたらと願います。
『互いに相手の立場になってものを考えることができる。共感的な感情が育ってきた上で初めて友だちが得られるのです。その基盤は基本的な信頼です。人を信じてもらえる感性があるから、共感的な感情が育つのです。』と佐々木正美先生の「子どもの心が見える本」の中にありました。
今一度マリア様の月であるこの5月において、私たち大人が子どもを丸ごと受け止め、子どもたちに生きる力を与えていくことができるように努力して参りましょう。
また子どもたちだけでなく保護者の方々も、私の幼稚園と思うことができ、愛着をもつことができるように、どうぞ親しい方々をお持ち下さい。