2010年1月の保育
−新しい年への思い−
新年、明けましておめでとうございます。今年が保護者の皆さんにとって、何よりも子どもたちにとって恵みの多い1年となりますように祈ります。
カトリック教会では、年の初めに教皇さまが1月1日の平和の日に向けてメッセージを送られます。今年のメッセージでは、特に自然と私たち人間とのかかわりについて考えさせられることが多かったと思います。
旧約聖書では、創造主である神が最初につくられたのは光でした。光と闇をつくり、そして空と水、土地とそこに生きる草木、動物という順番で創造されていきました。そして、私たちの祖先である人間をおつくりになります。
旧約聖書をひもとくまでもなく、私たち人間は自然の一部であり、自然と呼ばれるものとつながらずには生きていけないことは、誰もが理解できることではないかと思います。近代文明が花を咲かせてからは、人間はまるで自然を支配してきたように振舞ってきましたが、それが実はそうではなかった、私たち人間が今、失いつつあるものが、いかに大切で、どれほどそれに守られてきたかを目の当たりにしているのが、私たち、今を生きる者ではないでしょうか。
今、環境問題などで、さまざまな議論がなされていることは、私たちみんなが知っていることです。けれども、それは政治家や評論家が語っていることではなくて、私たちの生活、生き方のすみずみにあることだと思います。地球温暖化、環境破壊と、難しい話題を持ち出すことはなくても、私たちが人として、いちばん自然なあり方で生きていこうとしたときに、おのずと生まれてくるあり方は、やはり、大いなる自然のいとなみの中に抱かれて生きるということではないかと思うのです。
日本人のつちかってきた文化・感性は、すべての出来事の中に自然の働きを感じとるところにあるのではないかと思います。そういう日本人の感性は、私たちの創造主が、何よりもまず自然の中に人間をおつくりになったという、このメッセージ、私たちは自然の中で生かされている、まさに自然の一部なのだということを教えてくれるものではないでしょうか。大いなる自然に抱かれている私たち、その大切さを思う新年であってほしいと思います。