6月の保育
− 園長先生のお話 −
園庭のソメイヨシノやヤエザクラの葉が深緑になり,生命の定着を感じるこの頃です。郊外の田では土おこしが終わり,田植えに向けての準備が着々と進んでいます。季節は,春から初夏に向かって進んでいるようです。もうすぐ,とても可愛いイネが田んぼ一面に植えられることでしょう。
新型コロナウイルス変異株の感染収束が見えない中,5月26日(水)には阿部先生とオンラインでの音楽指導を,5月28日(金)にはカンバラ神父様と一緒にマリア行列をそれぞれ行ってきました。文部科学省が出している『学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル〜「学校の新しい生活様式」(2021.4.28 Ver.6)〜』や香川県教育委員会が出している『新型コロナウイルス対策における「緊急事態対策期」への移行を受けた学校の対応について(〜5月31日)』を受けながら,子どもたちによりよい体験を幼稚園生活の中で送ってもらいたいと強く願っています。
先日,カトリック桜町教会内に置いてある出版物を見ていると「心のともしび5月号」に作家の中井俊已先生が書かれた「神様から任された仕事」と題する文章が載っていましたので,次に掲載します。
神様から任された仕事 作家 中井 俊已(なかい としみ)
子育ては,素晴らしい仕事です。
子育てには,二つの目的があると私は考えています。
一つ目は,子どもが成長しながら自立し幸せになることです。子どもは,親に育てられ,幸せになるために生まれてきたのです。
ただし,親がいなくても,自分のことは自分でできる,他の人と心を通わせていける,困難があってもたくましく道を切り開いていけるような人間になってほしいものですね。このような自立した一人の人間を育てるのは,簡単なことではありません。むずかしく,また価値ある仕事です。子どもが生まれたとき,そんな仕事を両親は神様から任されたのです。
さて,子育てのもう一つの目的は,親の側にあると私は考えています。つまり,親自身が子育てという仕事を通して成長し幸せになることなのです。
私たちも人間として幸せになるために,この世に生まれてきました。子育てという楽しく,難しく,素晴らしい仕事を通して,人間的に成長し,より幸せな人生を営んでいく機会を与えられているのです。子育てを通して,人を愛し,人から愛される素晴らしさを私たちは学びます。同時に,愛する努力に疲れる人間の弱さも知るでしょう。自分の親が,その弱さを感じながら,どんな思いで自分を育ててくださったかも学ぶでしょう。親も子どもとして,人や神様に感謝し,幸せになれるのです。
聖母マリアと聖ヨセフは,イエスを産み育てていく上で,命がけの困難や多くの苦労があっても,愛と信頼と感謝のある生活を送ることができました。神様から任された子育てという仕事を通して,私たちも聖母マリアや聖ヨセフのように,より聖化され幸せになることができます。 |